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不動産投資をしている方なら誰しも、小さなリスクで大きなリターンが欲しいと考えるでしょう。
これから不動産投資を始めようと検討している方はまず、レバレッジ効果を知った上で上手に不動産投資をすることが重要です。
不動産投資初心者の方は、レバレッジ効果を聞いたことがあっても具体的にどのようなものかご存知でない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は不動産投資において欠かせない、レバレッジ効果について解説していきます。
不動産投資におけるレバレッジ効果とは
レバレッジ効果とはテコの原理のことであり、小さな力で大きな効果をもたらすことを表します。
そして不動産投資でレバレッジ効果を使う方法はズバリ、融資を借りることです。
自己資金のみで投資をするよりも融資を借りて投資金額を増やしたほうがリターンを増やすことができますし、融資を返済したあとに残った収益が自己資金のみで投資した場合の収益よりも多ければ収益性を高めることもできます。
不動産投資でレバレッジ効果を使った事例
レバレッジ効果で収益性が高められる理由について、実際の事例とともに解説していきます。
レバレッジを効かせない場合(自己資金のみ)
まずは自己資金のみで不動産投資をした場合についてみていきましょう。
仮に自己資金で1,500万円を持っていたとすると、購入できる不動産は1,500万円分(※初期費用は無しとする)です。
そして利回りを8%とすると、年間収益は120万円となります。
レバレッジを効かせた場合(自己資金+借入金)
次に自己資金+借入金で不動産投資をした場合についてみていきましょう。
自己資金1,500万円と銀行から借りた借入金1,500万円、合わせて3,000万円で不動産投資をしたとします。
利回りは上記の自己資金のみで不動産投資をした場合と同様に8%とすると、年間の家賃収入は240万円になります。
融資には金利が伴いますので、金利を3%とすると利息額は45万円(初年度)になります。
その結果、年間の家賃収入240万円から利息額45万円を引くと、レバレッジを効かせた場合の年間収益は195万円になり、同じ利回りでも融資を借りて不動産投資を行なったほうがリターンは多くなりました。
このように融資を借りてレバレッジを効かせると、自己資金が少なくても収益を高めることができます。
レバレッジを効かせない場合(自己資金のみ) | レバレッジを効かせる場合(自己資金+借入金) | |
投資金額 | 1,500万円 | 3,000万円 |
利回り | 8% | 8% |
年間家賃収入 | 120万円 | 240万円 |
利息返済額 | -45万円(金利3%) | |
↓ | ↓ | |
年間収益 | 120万円 | 195万円 |
レバレッジ効果を使って不動産投資をするときに気をつけるべき点
不動産投資におけるレバレッジ効果は自己資金が少なくても大きな収益を上げることができるというメリットがありますが、気をつけなければいけない点もあります。
逆レバレッジに注意する
レバレッジを効かせる時に気をつける点は逆レバレッジに注意することです。
逆レバレッジとは、融資を借りて不動産投資をしたものの、金利の上昇や利回りの低下が起きて収益が下がることです。
上記の事例で説明すると、例えば借入金の金利が3%から9%まで上昇した場合、利息額は1,500万円×9%=135万円となり、これを年間の家賃収入から引くと年間収益は105万円となります。
自己資金のみで不動産投資をした場合の年間収益は120万円なので、自己資金のみで不動産投資をしたほうが多くの収益を得られるという結果になります。
レバレッジを効かせない場合(自己資金のみ) | レバレッジを効かせた場合(自己資金+借入金) | |
投資金額 | 1,500万円 | 3,000万円 |
利回り | 8% | 8% |
年間家賃収入 | 120万円 | 240万円 |
利息返済額 | -135万円(金利3%→9%に上昇) | |
↓ | ↓ | |
年間収益 | 120万円 | 105万円 |
最悪の場合、不動産投資以外の収入や貯蓄を切り崩して借入金の返済をしなければいけないということも起こり得るでしょう。
今回はわかりやすいように金利が上昇した時の数値を高めに設定して解説しましたので、実際にここまで金利が高くなることはほとんどないので心配しすぎる必要はありません。
ですが、利回りの低下によって期待した収益が得られないということは物件選びに慣れていない初心者の方なら特に起こりやすいので、しっかりと対策しておきましょう。
逆レバレッジへの対応策
万が一の場合に備えて逆レバレッジが起きないようするためには、これからご紹介する点を参考に不動産投資をするようにしましょう。
利回りの高い物件を選ぶ
逆レバレッジは利回りと金利の差が縮まることで発生します。
そのため、利回りの高い物件を選ぶことで金利との差を広げることができ、逆レバレッジを未然に防ぐことができます。
しかし、例えば地方などの物件で見られるように、利回りの高い物件はリスクも大きい傾向にあり、地方では地価や物件価格が比較的安く利回りが高く設定されている一方で、人口減少が進んでいるので空室リスクが高いというデメリットもあります。
利回りの高い物件を選ぶことと合わせて、収益の実現可能性や家賃の下落幅もよく考慮するようにしましょう。
不動産投資でこれだけは知っておきたい!失敗しない物件の選び方3選
金利を下げる
金利を下げることで、利回りと金利の差を広げることができます。
金利を下げるためには、
- 「不動産会社と提携している金融機関で融資を借りる」
- 「複数の金融機関を回って比較する」
などの方法がありますので、ぜひ実践することをおすすめします。
一定額の現金を常に確保しておくようにする
万が一、逆レバレッジが起きても対応できるように、一定額の現金を常に確保しておくことも大切です。
利息の年間支払額は融資機関によっても異なりますので、不動産投資をする前に必ず収支計画を作成し、年間収益や利息額、そのためにどれくらいの現金を確保しておく必要があるのかを計算するようにしましょう。
レバレッジ効果とは。初心者でも使える効果的な不動産投資戦略!
不動産投資におけるレバレッジ効果や活用事例、注意点について解説しました。
上手く使うことができれば、不動産投資初心者の方でも少ない資金で大きなリターンを得られるのがレバレッジ効果です。
もちろん融資を借りて投資金額を増やすことはリスクにもなりえますので、レバレッジ効果をしっかり理解し、効果的な不動産投資の実現に役立ててくださいね。
今回ご紹介した注意点を抑えながら不動産投資を行い、資産運用を成功させていきましょう!