不動産投資で資産運用を始めようと考えている方なら、利回りという言葉は何度も目にすることがあると思います。

ですが、利回りという言葉はあまり馴染みがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、「実は利回りについて詳しくわかっていない」という方のために、還元利回りについて解説していきたいと思います。

今回の内容で還元利回りとはどういうものかを学んで、不動産投資で資産運用を始める際に役立ててみましょう。

不動産投資をするときに重要な還元利回りとは

不動産投資における還元利回りとは、不動産の価値を調べるときに用いる数値です。

不動産の価値を調べる方法はおもに3つあり、そのうち収益還元法で不動産の価値を調べる際に還元利回りが用いられます。

  1. 原価法
  2. 取引事例比較法
  3. 収益還元法

不動産鑑定士が不動産の価値を鑑定するときに用いられる数値ですが、不動産投資家が購入するべきか悩んでいる物件に対してその物件の価値を調べるために用いることもあります。

不動産投資における還元利回りの計算方法

次に、計算方法について解説します。

まず、不動産投資にはいくつかの利回りが存在しますが、還元利回りは以下の計算式で求めることが可能です。

1年間の利益÷不動産価格×100

補足として、年間の利益は1年間で得られる家賃収入から1年間でかかる必要経費を差し引いて求めることができます。

もし不動産投資の経験が浅く、必要経費の正確な数値が把握できないという方は家賃収入の20~30%で計算するようにしましょう。

還元利回りから不動産価格を求める計算例

実際に数値を用いて還元利回りから不動産価格を計算してみましょう。

例えば、1年間で得られる家賃収入が1,000万円、還元利回りが5%の物件に不動産投資をしようと検討しているとします。

不動産価格は「1年間の利益÷還元利回り」で求めることができ、この不動産の適正価格は以下のように計算されます。

1,000万円÷5%=2億円

この結果、不動産価格が2億円より高い場合は割高な物件、低い場合は割安な物件と判断でき、このようにして不動産価格の適正金額を調べることができます。

投資金額を回収するまでにかかる期間を調べることもできる

投資した資金を回収するまでに何年かかるかということを調べることもできます。

上記の例と同様に、仮に物件価格が2億円、1年間で得られる家賃収入が1,000万円で、そこから求められる還元利回りが5%だとします。

この場合、1年間の運用で投資金額2億円のうちの5%が得られるので、投資金額を回収するためには20年(100%÷5%=20)かかるということがわかります。

もし似たような物件が2つあり、どちらに投資をしようか悩んでいる時は、投資金額を回収できるまでの期間を調べて収益性を比較してみましょう。

不動産投資における還元利回りの相場はどれくらい?

「1年間の利益÷還元利回り」の式から不動産価格を求める時、利回りの数値がわからないと不動産の価値を調べることはできません。

この場合、以下の目安を用いて計算するか、もしくは国土交通省が提供している「土地総合情報システム」から類似する物件を探し、その数値を参考にして算出するという方法があります。

還元利回りの目安
  • 賃貸用物件の時は5~8%
  • 事業用物件の時は7~10%

もちろん不動産投資をする物件の立地条件や築年数にもよりますが、テナントやレジャー施設などの事業用不動産の場合は比較的数値が高くなります。

また地方の物件は利回りが高い傾向にありますが、空室リスクも高いので不動産投資をする際は慎重に物件の選定をするようにしましょう。

プロの不動産鑑定士が用いる「不動産鑑定評価基準」

不動産鑑定士が不動産の評価を行う際は「不動産鑑定評価基準」をもとに5つの方法を用いるのですが、これらの方法を用いて計算するのは初心者の方にとって少し難しいと思われるのでここでの詳しい説明は割愛させていただきます。

不動産投資でよく耳にする還元利回りとその他の利回りの違いとは

不動産投資ではいくつかの利回りが存在し、以下ではよく耳にする利回りとその違いについて3つご紹介します。

①還元利回り 【計算式】1年間の利益(家賃収入-経費)÷不動産価格×100

ある物件の価格を算出する、もしくは収益性を確かめることができる数値。
購入を検討している物件の適正価格を確かめる際に用いられる。

②表面利回り 【計算式】1年間の家賃収入÷不動産価格×100

物件価格に対して現時点でどのくらいの家賃収入を得られるかを表した数値。
不動産会社などが掲載している利回りの数値は基本的にこの数値を表している。

③実質利回り 【計算式】(年間の家賃収入-年間の経費)÷(物件価格+購入時にかかった費用)×100

購入時に発生する費用、物件の管理や運営をする中で発生する費用も反映し、実際どのくらいの利益が得られるかを表した数値。
①と計算式が似ているが、①は購入前に用いるのに対し、こちらは実際に現在得られる収益を表す。

適切なタイミングで適切な数値を計算できるように、それぞれの違いを把握しておきましょう。

還元利回りは重要な指標。不動産投資における利回りを使いこなそう!

不動産投資における還元利回りについて解説しました。

少し専門的である上に、不動産投資の利回りにはいくつかの種類がありますので少し難しい内容だったかもしれませんが、不動産投資で資産運用するなら学んでおいたほうがいい、重要な内容です。

利回りについて理解を深めることで不動産投資におけるリスクを減らし、リターンをうまく増やしていくことができます。

今回解説した内容をもとに、これからの不動産投資に活かしていってみてください!

不動産投資は利回りがポイント!正しい知識や相場を知って運用しよう!