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今回は不動産投資初心者の方が不動産ファンドを始めるために、その代表的な仕組みなどをご紹介していきます。
不動産ファンドは多くの種類に分けられるので、それらの違いを意識しながら読み進めていってくださいね。
不動産ファンドとは?初心者向けに仕組みや特徴を解説
ファンドとは投資家から資金を募り、その資金をもとに投資を行うことで得られた収益を投資家に分配する仕組みのことをいいます。
つまり、不動産ファンドは不動産を主な投資対象としたファンドということです。
不動産と一口に言ってもさまざまな種類があり、住宅はもちろん、リゾートマンションや商業施設、工場などがあります。
また、運用の仕方も不動産ファンドによってさまざまで、家賃収入などの運用益(インカムゲイン)を重視しているファンドもあれば、売却益(キャピタルゲイン)を重視しているファンドもあります。
この不動産ファンドができたことによって少額で不動産投資を始めることができるようになり、初心者の方でも不動産投資を始めやすくなりました。
不動産ファンドには2種類ある
不動産ファンドには、不動産投資信託と不動産特定共同事業の2種類があります。
それぞれの仕組みについてご紹介します。
不動産投資信託
最初にご紹介する不動産ファンドは不動産投資信託です。
不動産投資信託はREITとも呼ばれ、利回りが3~5%と比較的高いのが魅力です。
そして不動産投資信託は、公募ファンドと私募ファンドの2つに分かれます。
公募ファンド
公募ファンドは広く一般に投資家を募集する不動産ファンドです。
証券市場に上場しており、証券会社や銀行などで扱われ、不特定多数の投資家に販売されます。
また経済状況や需要と供給の影響によって日々価格が変動し、株式投資と同じような方法で売買することができるので、換金性に優れています。
私募ファンド
私募ファンドは機関投資家や法人などの一部の投資家だけを対象とした不動産ファンドで、証券市場に上場していません。
また、市場の影響を受けないため価格は安定していますが、流動性や換金性は低いです。
原則、運用期間中の払い戻しは認められず、売却したい場合は自分で買い手を見つけなければいけません。
それから、公募ファンドでは数万円から購入できるのに対し、私募ファンドは億単位の資金が必要になります。
不動産特定共同事業
もう一つの不動産ファンドは不動産特定共同事業です。
不動産特定共同事業を行う業者が販売する商品を「不動産小口化商品」といいます。
この不動産小口化商品により、自分だけでは購入できないような高額な物件でも、小口化し複数の投資家が共同所有することで、数十万円~数百万円程度で購入することができます。
そして不動産特定共同事業は、任意組合型と匿名組合型に分かれます。(厳密には「賃貸型」も合わせて3種類あるのですが、賃貸型はほとんど供給されていないため、この記事では2種類に分けてご紹介します。)
任意組合型
任意組合型では、投資家と事業者が任意組合契約を結びます。
まず投資家が投資対象となる不動産の共有持分を取得し、この共有持分を組合に現物出資し、その不動産を事業者が組合の代表として運営・管理します。
そして、そこから得られた収益を投資家に分配するという仕組みです。
不動産の所有権は投資家にあるため、不動産取得税や登録免許税などが経費としてかかりますが、相続税対策として活用することができるというメリットがあります。
匿名組合型
匿名組合型では、投資家と事業者が匿名組合契約を結びます。
仕組み自体は任意組合型と同じなのですが、任意組合型と大きく異なる点として、任意組合型は現物出資だったのに対して、匿名組合型ではお金を組合に出資します。
そのため、不動産の所有権は事業者が持ち、不動産登記簿にも事業者の名前が載るので、投資家の名前は載ることがなく匿名性が保たれるという特徴も。
なお、分配金は雑所得となります。
不動産の所有権を持たないのでそれに伴う費用もかからず、初心者の方にとっては始めやすい仕組みになっています。
不動産ファンドのメリットは?
不動産ファンドのメリットはやはり、少額から不動産投資を始めることができることです。
これまで不動産投資といえば高額な初期費用が必要でしたが、不動産投資信託や不動産特定共同事業ができたことにより不動産投資を始めやすくなりました。
また、少額で投資することができれば、投資の基本である分散投資をすることができるようにもなります。
そして、不動産特定共同事業のように、不動産を所有するかしないかを選ぶことができるというメリットもあります。
これらによって不動産投資におけるリスクを減らすことができるのは、特に不動産投資の経験が少ない初心者の方にとっては嬉しい点です。
初心者の方は不動産ファンドの特徴を知って自分にあった運用方法を!
今回は不動産投資初心者の方に向けて、不動産ファンドの仕組みについて解説しました。
不動産ファンドには多くの種類とそれぞれの特徴があることをおわかりいただけたのではないでしょうか。
不動産ファンドの特徴の一つ「少額で始められる」がありますが、いくら少額で始められると言っても投資を利用する以上、リスクはつきものです。
不動産ファンドを利用する場合は、自分の投資スタンスにあった方法で運用していくといいでしょう。
不動産ファンドのメリット・デメリットを解説している記事もございますので、ぜひチェックしてデメリットも理解した上で不動産投資を行いましょう!
不動産ファンドの仕組みって?メリットやデメリットを理解しよう!