収益と経費

不動産投資を始める前にその準備としてシミュレーションをしておくのはとても大切なことです。

儲け、いわゆる収益と物件にかかる必要経費を将来予想することを「収益シミュレーション」と言います。

不動産投資の目的は、収益を得て財産を増やすことです。

そのためにはしっかりと資産を運用し収益を得る必要があります。

収益を得るためには、必要な経費を使って、使った分以上の収益を得る必要があります。

特にアパートなど一棟投資をする場合、建物だけでなく土地も関係してきます。

そのためより多くの情報が必要になるため、収益シミュレーションをするにあたり物件を知ることは非常に重要になってきます。

【必要な物件情報】

1.売買価格と内訳

アパートを一棟購入するとなると、建物だけでなく土地の価格も含まれています。

その場合、提示されている売買価格は土地・建物が一緒になっているので、内訳についての詳細を把握できません。

しかしそれではいけません。

土地と建物は別で考え、それぞれいくらなのか内訳をきちんと把握することが大切です。

2.購入にかかる費用

物件価格はあくまで建物と土地の価格です。

購入時はそれに加えて以下のような費用がかかります。

 

・不動産仲介手数料

・不動産取得税

・印紙代

・固定資産税と都市計画税の清算金

 

基本的にはこれらの費用もかかることを忘れてはいけません。

3.建物の構造と広さ・間取り

建物の構造を理解することはとても大切なことです。

木造、鉄骨など建物の構造にはいくつかの種類があります。

構造によって修繕費用には違いが出てくるため、きちんと把握しておきましょう。

広さや間取り、部屋数についても忘れずに確認しましょう。

4.家賃相場

対象物件に対し、その周辺の物件の家賃相場を把握しておくことも重要です。

周辺の似たような物件の家賃相場を細かく調べるようにしましょう。

5.修繕履歴

その物件の築年数も大切ですが、過去の修繕履歴も大切です。

いつ設備を交換したのか、いつ内外装をリフォームしたのかなど修繕履歴を知ることで、修繕計画が立てやすくなります。

 

上記で紹介した情報は、インターネット上で調べることもできます。

インターネット上で分からない情報については、不動産業者に直接聞いてみると良いでしょう。

その情報を元に収益シミュレーションをおこないましょう。

変動率を踏まえること

不動産投資には「変動リスク」というものがあります。

不動産投資を始めるにあたり、金融機関でローンを組む際に選ぶのが「固定金利」と「変動金利」です。

不動産投資では長期ローンを組むことが欠かせません。

まずは固定金利と変動金利について説明したいと思います。

【固定金利とは】

固定金利は返済完了までの期間、同一の金利を支払うことを指しています。

基本的には、固定金利は変動金利よりもやや高く設定されています。

ただ、今後どんなに金利が高くなろうが変わりはないので、リスクを少なくしたい方には向いています。

【変動金利とは】

変動金利は半年に1度金利が見直され、5年に1回返済見直しがおこなわれます。

金利は上昇する可能性もありますし、下降することも考えられます。

ただ、金利が上昇して返済額が増えてしまった場合はこれまでの返済額の1.25倍までを上限とすると決められています。

 

変動金利にするか固定金利にするかは、今後の変動率を踏まえて考えなくてはなりません。

基本的に変動金利は短期プライムレート、固定金利は長期プライムレートに、金融機関の利益分や、さらにさまざまなリスク要因分を上乗せして決まります。

短期プライムレートとは、銀行が企業に融資する上で、業績面で好調な優良企業に適用する最も優遇された金利のうち、1年以内の短期間で貸し出す際の金利のことを言います。

実際には金利の変動率を予測することは難しいですが、ある程度日本経済を把握し金利が上昇するのかそれとも下降するかを見極めることはできます。

経済情勢をしっかり調べることも不動産投資には必要です。

ローン返済の設定

不動産投資は他の投資に比べて投資額が大きくなります。

そのため金融機関でローンを組む方も多いです。

ローンを組むとなると、その返済期間の設定も重要になってきます。

返済期間が短ければ、必然的に毎月の支払額が大きくなります。

そもそも不動産投資は高額なローンを組むことがほとんどですので、返済期間が非常に重要になってきます。

金利のことを考えると誰しもができるだけ短期間で返済したいと考えるでしょう。

住宅ローンに関してはそれで良いでしょう。

しかし、不動産投資においては逆に返済期間が長い方が有利なキャッシュフローになると言われています。

キャッシュフローとは「家賃収入-(ローン返済・経費)=毎月の手元資金」のことです。

返済期間が短ければ短いほど毎月の返済額が増えるので、手元資金が少なくなったり、赤字になったりします。

返済期間を長くして手元に残る資金を増やすことで安心感を得ることができるだけでなく、他の投資にその資金を回して利益を得ることも可能です。

ローン返済の設定は実際にローンを組む前に返済シミュレーションができるので、実際にローンを組む前にシミュレーションをおこない、実際の返済額や手元に残るお金を把握することが可能です。

金融機関から融資を受けて不動産投資を成功させるには、ローン返済の設定が重要です。

現在ではさまざまな金融機関で返済シミュレーションが可能ですのでぜひ試してみることをおすすめします。

まとめ

不動産投資を始める前にはシミュレーションを行うことが成功のためには不可欠です。

何も考えず投資を始めるのはおすすめできません。

特に高額な資金を必要とする建物一棟購入の場合はより慎重になることが大切です。

金融機関でローンを組む場合、審査に通ればその物件を購入することは誰でもできることですが、ローンで得た資金は決して自己資金ではありません。

マイナスからのスタートと認識し、変動金利や返済期間についても事前に調べておく必要があるでしょう。

さまざまな視点から不動産シミュレーションをし、後悔しない不動産投資をおこなうことが大切です。

不動産投資を始める最大の目的である資産を増やすことを忘れないようにしましょう。