不動産投資には市場の状況や需要などの様々な要素が影響しているので、売却するタイミングによって得られる収益が変わってきます。

そのため、ベストなタイミングで不動産を売却することができると効率よく資産を増やすことが可能です。

今回は、不動産投資で物件を売却すべきベストなタイミングや高く売るためのコツについて解説していきます。

「売りたいけど、どのタイミングが良いのかわからない」と悩んでいる不動産投資初心者の方はぜひ最後まで読んでみてください。

【初心者必見】不動産投資で物件を売却するべきタイミングとは

カレンダーはストックフォト用にデザインしたオリジナルの小道具です。

まずは不動産投資で物件を売却するべきタイミングの目安について、以下の4つをご紹介していきます。

  1. 収益が購入金額を超える時
  2. 大規模修繕の前
  3. 築20年になる前
  4. ローンの元金返済額が減価償却費を上回り、赤字になる前

1.収益が購入金額を超える時

はじめに、不動産投資で収益が購入金額を超える時が売却の目安となりますが、不動産投資で収益が購入金額を超えるには2通りあります。

①売却金額が購入金額を超えるとき

1つ目は、売却金額が購入金額を超えるときです。

例えば、2,000万円で購入した物件の資産価値が上がって、10年後に2,500万円で売ることができた時、500万円の収益を得ることができます。

不動産投資で物件を売るのに最も理想的なタイミングであり、目安としては1年間で得られる税引き後の利益と比較して5倍以上の売却益が得られる場合は売るべきでしょう。

ただし、不動産投資の売却益を狙った運用はかなりの目利き力が必要なので、初心者の方は安定した家賃収入で着実に資産を貯めていくべきだと考えられます。

②累計の家賃収入と売却金額が購入金額を超えるとき

2つ目は、不動産投資で得た累計の家賃収入と売却金額が購入金額を超えるときです。

例えば、2,500万円で購入した不動産を10年間運用し、年間で100万円の家賃収入が得られたとします。

そして、この不動産を10年後に1,800万円で売却できた場合、不動産投資で得た累計の家賃収入と売却益を合わせた金額は100万円×10年+1,800万円=2,800万円となり、購入金額の2,500万円を上回ります。

ただし、不動産投資で売却する際は、税金に関しても考慮するようにしましょう。

2.大規模修繕の前

2つ目の目安は、大規模修繕の前になります。

不動産は月日が経つと劣化が進み、点検や修理などのメンテナンスをする必要があります。

不動産投資においては、築10年以内なら大規模な修繕費は発生しづらいですが、築10年を超えてくると設備などの劣化により大規模な修繕費がかかる可能性が高まります。

特に古い物件だと1戸あたり80~100万円程度の修繕費がかかることもあり、このような大規模の修繕費がかかると利回りもかなり悪化しますので、大規模修繕が発生する前に物件を手放しておきましょう。

3.築20年になる前

3つ目の目安は、築20年になる前です。

中古物件では築20年を超えると値引きされることが多く、また築20年は排水設備の交換時期とも重なるので、上記同様に大規模な修繕費がかかることがあります。

4.ローンの元金返済額が減価償却費を上回り、赤字になる前

4つ目の目安は、ローンの元金返済額が減価償却費を上回り、赤字になる前です。

不動産を購入した場合、購入時にかかった費用を耐用年数で按分し減価償却費としてある一定の期間、計上していきます。

ここで注意すべき点として、ローンを組んで不動産投資を始めた場合、ローンにかかる利息分については経費として計上できますが、元金の返済額については経費として計上することができません。

さらには、以下の2つの原因によって減価償却費として計上できる金額は時間が経つほど減少します。

  • 減価償却費の償却期間を過ぎる
  • ローンの返済が進むと利息が減少していくので、経費として計上できる額も減っていく

その結果、ローンの元金返済額が減価償却費を上回るという事態が起こり、これをデッドクロスと呼びます。

実際に支出が伴わないことで節税効果が見込める減価償却費ですが、この減価償却費が年々減少すると帳簿上の黒字は大きくなっていくのでそれに伴って所得税が増えていく上に、ローンの返済は変わらず支払い続けなければいけないので、節税効果が十分得られないどころか手元の現金はどんどん不足していきます。

このような状態が続くと、所有している物件における収益性は著しく下がり、不動産投資をしている意味がないので、減価償却費とローンの元金返済額が入れ替わるタイミングを逆算し、それよりも前に物件を手放す必要があります。

不動産投資で物件を高く売却するためのコツとは

次に、不動産投資で物件を高く売るためのコツについて、以下の2点をご紹介していきます。

  • 5年より長く所有する
  • 3月までに売却する

5年より長く所有する

1つ目は、不動産投資をした物件を5年より長く所有することです。

不動産投資では、物件を所有していた期間が5年超か5年以下によって、売却した時に得られる譲渡所得にかかる税率が異なってきます。

取得日から譲渡した年の1月1日までの期間が5年以下の時にかかる税率 39%
取得日から譲渡した年の1月1日までの期間が5年超の時にかかる税率 20%

上記のように、所有期間が5年超か5年以下かによって約2倍も税率に差があるので、物件を5年より長く所有してから売ったほうが節税効果が大きいと考えられます。

ただし、譲渡所得の課税方式では物件を取得した日から譲渡した年の1月1日までを所有期間とするので注意しましょう。

3月までに物件を売る

2つ目に、3月までに物件を売却することです。

3月は4月に新年度が始まるということもあり引っ越しなどによる移動が多い時期ですので、不動産投資においては買い手が見つかりやすいというメリットがあります。

不動産投資では売却のための活動を始めてから実際に売り払うまでに長くて6ヶ月程度かかります。

そのため、3月までに済ませるためには前年の9月頃から準備を進めていくようにしましょう。

不動産投資の売却はタイミングが重要。初心者の方は慎重に判断を!

今回は、不動産投資で物件を売却すべきタイミングと高く売るためのコツについてご紹介しました。

不動産投資では売却するタイミングによって得られる収益が変わります。

初心者の方は特に売却益を狙った運用は難しいと思いますので、家賃収入で着実に収益を積み重ねながら適切な時に手放せるように準備しておく必要があります。

不動産投資初心者の方は難しい点もあるかと思いますが、注意点に気をつけながら、より効率的に資産を増やせるようにタイミングを検討してくださいね。

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