不動産投資では入居者が居住した状態で不動産を売買できる「オーナーチェンジ」というものがあります。

オーナーチェンジを利用した不動産投資は購入後すぐに賃貸収入が得られるなどのメリットがあり、不動産投資初心者の方にも非常に人気となっておりますが、注意点にも配慮しないと瑕疵などの欠陥を見逃したまま物件を購入してしまうことになります。

今回は、不動産投資の初心者の方向けにオーナーチェンジに関する基礎知識やメリット等について詳しく解説していきます。

【初心者向けに解説】不動産投資のオーナーチェンジ物件とは

オーナチェンジは賃借人が居住している状態で不動産が売買され、所有者だけが変わることを言います。

アパートなどのように複数の部屋を売買する場合は1部屋だけでも被賃貸者が居住していればオーナーチェンジといい、一方で1部屋も被賃貸者がいない場合は該当しません。

不動産が売買された時点から賃貸収入を得ることが可能ですが、同時に賃借人が退出する際の敷金返還義務なども請け負います。

不動産投資でオーナーチェンジを利用するメリット

メリットには以下の3つが考えられます。

  1. すぐに賃貸収入を得ることができる
  2. 利回りを予想しやすいため、収支計画が立てやすい
  3. 融資を受けやすい

1.すぐに賃貸収入を得ることができる

1つ目はすぐに賃貸収入を得られることです。

新築物件などを購入した場合は被賃貸者がいない状態で不動産投資が始まるため、自身で賃料の設定や被賃貸者の審査をしなければいけません。

しかし、オーナーチェンジの場合は被賃貸者がいる状態で不動産が売買されるため、所有権が引き継がれた時点で賃貸収入が自分のものとなります。

そのため、賃料を設定したり被賃貸者の審査をしたりなどといった、不動産投資を始める際に困難に感じられる業務が省けるため、初心者の方にとっても始めやすいという特徴があります。

2.収支計画が立てやすい

2つ目は収支計画が立てやすいことです。

賃貸額が既に決まっていることと、前所有者からこれまでの運用状況について聞くことができるため、利回りをある程度予測することが可能となり、収支計画が立てやすいというメリットがあります。

3.融資を受けやすい

3つ目は融資を受けやすいことです。

基本的に融資の返済は不動産投資で得た賃貸収入から支払うことになるため、安定して賃貸収入を得られる物件ほど審査に通りやすい、もしくは融資額が高くなります。

対して、空室が続いていたりする物件だと審査に通りにくい、もしくは融資額が低くなることが大半です。

その点、オーナーチェンジは所有権を得た時点で賃貸収入が得られるため、金融機関からの評価が高く融資の審査に通りやすい傾向があります。

不動産投資でオーナーチェンジを利用する時の注意点

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注意点は以下の2つが考えられます。

  1. 部屋を確認することが困難
  2. 購入してから空室になる可能性も

1.部屋を確認することが困難

1つ目は部屋を確認できないことです。

被賃貸者が居住した状態で売り出されることから、購入する前に室内を確認することができず、購入後に内装の損傷や設備の故障などが見つかるという可能性もあります。

そのため、物件の瑕疵については購入前に前所有者から聞いておくことが重要です。

2.購入してから空室になる可能性がある

2つ目は購入してから空室になる可能性があるということです。

所有していた不動産を売却するということには何かしらの理由があり、もしかすると購入後に被賃貸者が退去するという可能性も否定できません。

こうした悪質な投資家も存在するため、なぜ売却するのかという理由を事前に確認しておくことも重要です。

オーナーチェンジを利用して不動産投資を成功に導くためのチェックポイント

最後に、オーナーチェンジを利用するときにチェックするべき3つのポイントについて解説していきます。

1.被賃貸者との契約内容のチェック

1つ目は被賃貸者との契約内容をチェックすることです。

被賃貸者との契約内容は前所有者からそのまま引き継ぐため変更することができません。

  • 賃料はいくらか
  • 引き継ぐ敷金はあるか
  • 退去時の修繕費用はどのくらい負担する必要があるか
  • 更新料はあるか

など、のちに被賃貸者とトラブルにならないように、不明点は前所有者に聞いておくようにしましょう。

また、被賃貸者の数が正しいかどうかも、これまでの記録から確かめるようにしましょう。

2.修繕履歴を確認する

2つ目は修繕履歴を確認することです。

購入前に室内を確認することが難しいと先述しましたが、次の二つの方法で瑕疵となりうる箇所を予測することが可能です。

  • 修繕履歴を確認する
  • 部屋の中を確認させてもらえるか確認する

修繕履歴を確認することで、よく修繕が発生している箇所や長い間修繕されていない箇所を把握することができ、今後修繕の必要が生じ得る箇所の予測が可能です。

そのため、修繕履歴を確認するだけで資金計画を立てる際に役立てられることもあります。

また、一度前所有者と被賃貸者に部屋の中を確認させてもらうことができるか相談してみても良いでしょう。

壊れた箇所の早期修繕は被賃貸者にとってもプラスであるため、承諾を得られる可能性も高いです。

3.瑕疵担保責任は長期間になるよう交渉する

3つ目は瑕疵担保責任はできるだけ長期間になるように交渉することです。

瑕疵担保責任は、施工不良やシロアリ被害などの隠れた欠陥が見つかった場合に、買主に対して売主が負う責任のことを指します。

定められた期間内に申し出れば、買主は売主に対して損害賠償の請求や契約の解除がを求めることが可能です。

物件の種類によって売主が責任を負う期間は異なりますが、オーナーチェンジのように個人の売主から不動産を購入する場合には、売主と買主の交渉によって期間が決められます。

一般的には1〜3ヶ月となることが多く、売主としてはできるだけ期間を短くしたいですし、買主としてはより長期間を取りたいため、どのくらいの契約内容になるかは交渉次第ということになるのです。

室内の確認が難しいことを考えると、瑕疵担保責任をより長期間に設定できるように交渉するべきでしょう。

初心者におすすめのオーナーチェンジ物件で不動産投資を始めよう!

今回は、不動産投資のオーナーチェンジについて解説しました。

すぐに賃貸収入が得られるなど不動産投資を始める上では非常に魅力的な特徴があり、不動産投資初心者の方にもおすすめの始め方です。

ただし、被賃貸者が居住した状態で売買されることによって、「室内が確認できない」「瑕疵が発見しづらい」などの注意点もあります。

今回ご紹介した購入するときのポイントを押さえて注意点に気をつけながら、自分に合った方法で不動産投資を始めていきましょう。

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