利回りだけを重視して地方の物件に投資対象を絞る方がいらっしゃいますが、実は地方の物件はリスクが大きい傾向にあります。

そのため利回りについて深く知らない方が収益だけを求めて地方の物件に不動産投資した結果、空室が続いて損失を被るということが起こりやすいです。

今回はこれから不動産投資を始めようとお考えの初心者の方向けに、利回りの高い地方物件を避けるべき理由について解説していきます。

不動産投資の利回りについて

街並み

利回りの高い地方物件への不動産投資を避けるべき理由について解説する前に、まずは不動産投資における利回りについて触れていきます。

不動産投資おける利回りには3種類があり、それぞれ以下の計算式によって求めることができます。

  1. 想定利回り= 満室時に得られる年間の家賃収入 ÷ 物件価格 × 100
  2. 表面利回り= 年間の家賃収入 ÷ 物件価格 × 100
  3. 実質利回り= (年間の家賃収入 − 経費) ÷ 物件価格 × 100

不動産会社が表記している利回りの多くは表面利回りであり、この数字にはメンテナンスや修繕にかかる費用が含まれていません。

そのため実際に不動産投資をした場合は、表面利回りよりも低い数字になるということを把握しておく必要があります。

ここからの内容は表面利回りについての話となりますので、利回りについてより詳しく知りたい方は以下の記事もご確認ください。

不動産投資は利回りがポイント!正しい知識や相場を知って運用しよう!

地方物件への不動産投資は利回りが高い理由

上記の計算方法を見るとわかりますが、「物件価格が安ければ安いほど」あるいは「家賃が高ければ高いほど」利回りの数値は高くなります。

この2点を踏まえて、地方物件は都心に比べて家賃はそこまで大きな差が無いのに対して不動産価格は安い傾向にあります。

ゆえに、地方物件への不動産投資のほうが都心の物件への不動産投資より利回りが高くなることが多いのです。

ただし、利回りの高さだけで地方物件へ不動産投資を決めることは大きなリスクとなりますので注意してください。

利回りだけで決めるのは危険!地方物件に不動産投資をするときのリスクについて

地方物件への不動産投資を利回りの高さだけで決めるのは危険です。

ここからは地方物件に不動産投資をする場合に気をつけるべきリスクについて3つご紹介します。

①空室リスクが高い

1つ目は空室リスクが高いことです。

地方では人口減少が顕著に進んでいる地域も多いため、住宅の需要も低下しつつあります。

また都心に住む場合は、不動産が高額なため購入できないという理由で賃貸住宅に住む人が多いですが、地方に住む場合は、不動産価格が低いこともあり、賃貸ではなく住宅ローンを組んで不動産を購入するという方も少なくありません。

ゆえに、需要の低い地方物件への不動産投資は空室リスクが高くなり、入居者を集めるにはかなりの目利き力が必要とされます。

②企業や大学が撤退する可能性も

2つ目は企業や大学が撤退する可能性があることです。

地方の物件では企業や大学があることによって人が集まり、入居者を維持できているところもあります。

しかし、都心ほど企業や大学の数が多いわけではないため、数える程度の企業や大学の社員、学生に依存しているという場合もよくあります。

こうした人が集まりやすい地域を狙って不動産投資を行い、安定した家賃収入を得るのも一つの戦略ではありますが、少子高齢化や人口減少の影響で、そのような企業や大学が地方から撤退してしまう可能性も大いにあるでしょう。

仮に企業や大学が地域から撤退してしまった場合、入居者を確保するのが困難になり、家賃を下げるなどをして対応する必要がでてきます。

その結果、不動産投資をする前に想定していた収益率が下がり損失が増えるリスクがあるのです。

③スムーズに売却できないことも

3つ目はスムーズに売却できないときがあることです。

不動産の取引件数は東京と地方都市においてかなりの差があり、東京は他の地域に比べて不動産の取引件数が圧倒的に多く、それだけ不動産投資をしている投資家も多くいます。

一方、地方物件への不動産投資をする投資家は少ないため、地方物件を購入した後に急な事情でまとまったお金が必要になったとしても、次の購入者が見つかるまでなかなか物件を手放すことができず、すぐに現金化することができないという問題が発生することもあります。

そのため、地方物件に不動産投資をする場合は、すぐに売却することができないという流動性の低さについても考慮した上で不動産投資をするべきです。

地方物件の不動産投資は利回り以外のリスクに注意しましょう!

今回は、利回りが高い地方物件に不動産投資するのを避けるべき理由について解説しました。

地方物件への不動産投資は、高い利回り率を期待することができる反面、リスクへの対策も慎重に行わないと都心の物件への不動産投資よりも損失を抱える可能性が高いため、初心者の方にはおすすめできません。

安定して収益が得られる物件であるかどうかを、ある程度見極められるようになるためには豊富な知識と経験が必要となるためです。

これから不動産投資を始めようとお考えの方は、リスクの大きい地方物件への不動産投資ではなく、知識や経験を付ける意味でも少額から始められる不動産ファンドから初めてみてはいかがでしょうか。

気になる方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

【初心者必見】少額ではじめる不動産ファンドの基礎について徹底解説