日本では、少子高齢化にともなう人口減少が社会問題として多く取り上げられており、人口減少の問題は不動産投資の世界にも影響し、不動産市場の縮小などが懸念されています。

また、人口減少以外にも日本では地震災害も多いという理由から、海外で不動産投資を検討される方もいます。

そこで今回は、海外で不動産投資をする利点や気をつける点を交えながら、各国の特徴についてご紹介していきます。

海外での不動産投資を検討されている方には参考になる情報だと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

自分に合う国はどこ!?不動産投資における海外の特徴を比較!

今回は経済成長が著しいアジアの新興国と、不動産投資の市場が安定している先進国を中心にご紹介していきます。

アメリカ

アメリカは出生率の高さと移民の流入により先進国の中でも人口増加率が高く、経済成長率も高く推移しています。

人口が増えれば不動産の需要も高まるので将来性も豊かであると推測され、地域によっては物件の値上がりによる売却益を狙える可能性もあるでしょう。

また、先進国であるアメリカは新興国と比較すると不動産取引の法整備が進んでいるので、法的なトラブルになる可能性が低く安全という見方も可能です。

さらには、中古物件が多いので物件価値が安定してる上に住宅価格が年平均約4%上昇、空室率も5~8%と賃貸需要の高さがうかがえます。

他にも外国人の不動産所有における規制がないので透明性が高い・参入しやすいという特徴がありますが、そのぶん競争率・物件価格が高いという特徴があります。

デメリットとしては日本との時差が10時間以上あり、時差によってコミュニケーションが遅くなるので賃貸管理の難しさが出てくるでしょう。

信頼できる日本人エージェントを選ぶことが不動産投資を成功させるための重要なポイントです。

イギリス

イギリスもアメリカと同様に、先進国であるがゆえに比較的安全に不動産投資をすることが可能です。

ソリスターと呼ばれる弁護士に不動産投資する際の法的な対応を任せられるので、売買契約書や物件所有権などの手続きにおける法的なトラブルに繋がる可能性が低くなります。

地域や物件に関する特徴を紹介しますと、首都ロンドンは世界有数の高価格なエリアであり、資産性は高いものの利回りが低くなります。

一方で、学生寮は1部屋あたりの大きさがあまり大きくないので少額での投資が可能であり、さらにイギリスの海外からの留学生受け入れ数はアメリカについで世界第2位の多さなので、学生寮の需要が高い傾向にあります。

デメリットとしては、イギリスでの不動産投資は手続きが多いので取引するのに時間がかかる、煩雑であるという側面があります。

また、EU離脱がどのようにイギリスの不動産投資市場に影響するかが不透明であり、経済が落ち込む可能性もゼロではありません。

シンガポール

シンガポールはその他のアジアの新興国と比較すると政治・経済的に安定しており、不動産投資におけるリスクが低いでしょう。

また、投資における規制があまりなく、キャピタルゲインに対する税金は非課税などというメリットもあります。

デメリットとしては発展している分、物件価格が高額であり、融資を借りて不動産投資をしようと思っても融資比率が50~60%程度しか受けられないという難点があります。

フィリピン

フィリピンは人口増加率が高く将来性が豊かなので、今の安価なうちに不動産投資をしておいて、のちに値上がり益を狙える可能性が高いでしょう。

またフィリピンの人口密度は357人/km²(2018年)であり、この数値は日本よりも高く、人口密度の高さは賃貸需要の高さ、入居率を高く維持することにも非常にメリットとなります。

一方で、デメリットとしましては、竣工リスクといって建物が完成しないまま放置されたり、完成しても出来が悪いがゆえに賃貸に出すことができなかったりするので、建設工事が着手される前の物件(プレビルド)に不動産投資する場合は要注意です。

マレーシア

マレーシアで不動産投資をおこなうメリットもその他のアジア新興国と同様に、経済発展による将来性です。

IT産業の誘致などを中心に積極的に経済対策がおこなわれており、政府は2025年までに先進国入りを目指すとしています。

実際にマレーシアのGDP成長率は5%前後を推移しており、日本の2018年のGDP成長率の0.8%(前年比)と比較すると今後の発展ぶりもある程度予測がつくでしょう。

また、長期的な人口増加とそれにともなう住宅需要の上昇、そして日本の1/3程度の物価の安さによって、海外の不動産投資家からも人気となっています。

ただしデメリットについては、所有権登記までに時間がかかり、1年近くかかることもあるので、売却したくても売却することができないということがあります。

そして、現状としてマレーシアは不動産市場が冷え込んでおり、数年前に中国系の海外マネーが流入し、それをもとに不動産を建設しすぎたため、供給過剰で多くのコンドミニアムが売れ残っています。

こちらに関しては、今のうちに物件を購入しておき、将来さらに経済発展してきた時に売却してキャピタルゲインを狙えるというプラスの側面もありますので、一概にデメリットとは言い難いところもあります。

なので、こまめに情報収集をおこなうなどして動向を確認しておくことが重要となります。

タイ

タイも同様に経済発展が大きく、GDPが2000年以降で3倍以上も増加しています。

また、タイは現地に日本人が多く、現地で不動産会社を経営している日本人も少なくありません。

これは海外で不動産投資をする上で、コミュニケーションを円滑に進め、賃貸管理をするのに非常に大きなメリットとなりますし、時差も2時間なので時差によるコミュニケーションの障害も避けることができます。

デメリットとしては、タイは郊外になると人口がかなり減少しますので、みなさんが不動産投資をするとなると首都バンコクの物件に投資をすることになるでしょう。

しかし、首都バンコクでは物価が高騰し、物件も値上がり傾向にありますので、物件の取得にお金がかかるため利回りが低くなってしまいます。

そうは言っても、タイは比較的、不動産投資における法整備が進んでいるので、法的なトラブルのリスクは低いと考えられます。

海外も視野に!国ごとの特徴を比較して自分に合った不動産投資をしよう

今回は、海外の不動産投資に関する情報をご紹介しました。

海外の不動産投資で得られるメリットは日本の不動産投資にはないものばかりですが、それゆえに海外の魅力にばかり気を取られて、同じくらいリスクが存在することを忘れてはいけません。

物件の管理にはできるだけ日本人のエージェントを起用するなど、デメリットやリスクを減らしていけば、得られるメリットも大きいでしょう。

日本国内でも地域によって特徴が異なるように、海外でも地域によって差があります。

そういった点も気をつけながら、ぜひ新たな市場でチャレンジしてみてください!

いきなり海外での不動産投資が不安な方はまず国内で少額の不動産投資に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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